たゆたえども沈まず

第二幕 第三話

 そこそこに賑わう定食屋、衝立に遮られた畳の間に、二人の男が頭を突き合わせている。「それで、山崎。なにか掴めたのか」 丼をかっ込み、一人の男は言った。対して山崎と呼ばれたもう一方は、その丼の匂いに顔を顰めていたが男の言葉を受けるや否や「それ…

第二幕 第二話

 あの後、買い物した荷物を銀さんに任せて、わたしはターミナル近くの大江戸デパートに来ていた。《大江戸デパート》とデカデカ書かれた看板を見上げる。空高く聳え立つビルと、空に浮かぶ船が、なんとも近代的だ。 それから――。 ――本当、不思議だなあ…

第二幕 第一話

「アレだ。お前もう諦めた方がいいんじゃね? 人生じゃねーよ、アレだよ、アレアレ」 今日もかぶき町は晴天だ。 雲ひとつない青空の下、呆然と立ち尽くすわたしの横で、銀さんが頭をボリボリと掻きながら欠伸を噛み殺して「ご愁傷さん」と言う。 目の前に…