Never Be the Same

about this story
友人だったキバナとひょんなことから一線を越えてしまい、とろっとろに甘やかされるお話。
2020年に発行の夢本にて書き下ろした短編の再録となります。ネームレス(=名前表記なし)です。
  • 「キバナ」 とてつもない熱が襲いかかってくる。まるで砂塵の窪地に吹きつける熱砂だ。目も鼻も口も、肌も、あらゆるところがやけどしてしまいそうになる。からだの芯がじくじくとして苦しい。指先がちりちりし、目の奥が溶けだしている。どうにかして酸素を…

  •  家に帰ると、シャワーを浴びてお気に入りのボディクリームで一日の疲れを労った。いつもならそれでベッドに入る。しかし、今日はなかなかそうすることができなかった。 シーツにくるまるとどうしても昨晩のことを思いだしてしまう。まるで映画のようなめく…

  •  キバナという男は、私のさりげない言葉をよく覚えている。たとえば、ぽつりと呟いた、「このパスタ食べてみたい」だとか、「歯磨き粉が切れてしまった」だとか。正直、私自身が覚えていないことまで、よくもそんな鮮明に思いだせるね? というほどに。そし…

  • 「仕事がないって、さいっこぉ」 穏やかに、潮騒が耳を撫でている。ザザァン、ザザァン、波が白浜に打ちつけて、また海へ戻っていく。ホウエン地方、南の離島ムロ。私は一枚五百円のレジャーシートを敷いて、その上に寝転んでいた。 真上から照りつける陽射…

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――ひとりで、歩くなよ