Between the Line

あなたとともに、生きていきたい。

はじめに
恋人である七海との関係を思い悩む一人の女性のお話。

【登場人物】
■名字名前……七海建人の社畜時代からの恋人。現在、英会話教室の事務をしている。
戸川とがわじゅん……夢主の勤め先の英語講師。俳優の清/原/翔似のイケメン。
依田よだちゃん……夢主と同じく事務をしている後輩。二十二歳、絶賛彼氏募集中。
■スティーブン……陽気なオーストラリア人

MAIN STORYともに生きるということ

    • Between the Line 01

      《すみません、急ぎの仕事が入りました》 無情にもデートのキャンセルを告げた携帯は、わたしの反応を待たずに真っ暗に消えていった。かれこれ、四年は使っている携帯だ。省エネのために画面ロックの時間を三十秒に設定していたから、返信をする前に消えてし…

    • Between the Line 02

      「ええ、先輩。戸川先生とごはん行ったんですかぁ」 翌日、事務仲間である依田《よだ》ちゃんと早番が重なって、わたしは軽い気持ちで昨夜のことを打ち明けた。「うん。スティーブンが言ってたやきとり屋。おいしかったから今度行こうよ」「もちろんいいです…

    • Between the Line 03

      「見ましたよぉ、セーンパイ!」 教室に着くやいなや、むふふと好奇心を隠さずににやけ顔を向けてきたのは依田ちゃんだ。「なにが」「もう、しらばっくれないでくださいよぉ、と・が・わ・せ・ん・せ・い!」 受付の裏で勤怠カードを切り名札をかけるわたし…

    • Between the Line 04

      「すみません、戸川先生」 そそくさと帰っていく外国人講師を横目に、翌日の準備を手伝ってくれたのは戸川先生だった。彼はわたしが頭を下げると、ん、とかすかに口もとを引いただけで、掴みどころのない表情のまま教室の机を整頓してくれる。「そういえば、…

    • Between the Line 05

       目が覚めると、そこは別世界だった。静けさが辺りを包んでいる。混沌の波も過ぎて、なにもかもがなくなったあとのようだった。シックな内装のジャズクラブが、がらんと闇に眠る。しかし、おぞましい生き物がステージの上でマイクスタンドに絡みついていた。…

    夜はふたりのあいだの――を曖昧にして…

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